日本一大きな演習場はどこ?

元陸上自衛官で、兼業農家のMasahikoです。今回は、日本一大きな演習場について紹介しようと思います。皆さんは日本一大きな演習場はどこにあると思いますか?

殆どの方は、北海道だと思っていると思います。はい、「正解」です。北海道にあります。その名は、「矢臼別演習場」といいます。北海道の北方領土にほど近い別海町、厚岸町、浜中町にまたがっている巨大な演習場です。私も、自衛隊に入隊した次の年(平成11年)に北方機動演習の一環としてこの演習場に行きました。当時は、中国よりはロシアの脅威のほうが大きかったので、北方機動演習と称して、北海道に実際に移動して訓練を行い、ロシアへの脅威に備えていました。

後で、Google mapでもいいので確認していただければいいと思いますが、この演習場のすごいところは、演習場の中を国道が通っているのです。国道272号線が演習場の西側の方を通っています。おそらくこの国道がないと大きく迂回する事になり、付近の住民に迷惑になるのでこの国道ができたのでしょう。こんな演習場は全国にもほどんどありません。本当に桁違いです。

また、ちょっと演習場の話から脱線しますが、この演習場を作るとき国は地主から土地を買収しましたが、川瀬氾二さんという方は、国の用地買収に応じず、2009年に82歳でなくなるまでこの矢臼別演習場内にある牧場で暮らし続けました。自衛隊に入隊したころの私はこのような話も何も知りませんでした。当時の私は、大型トラックの後ろに載せられて道中を眺めながらのほほんと矢臼別演習場にきて、上司から言われたことを愚直にやっているだけでした。時が過ぎ、多くの情報が手に入り、様々な時代の背景を知ることで、多くのことを学び、人間の生き方についても考える事ができるようになりました。川瀬さんが用地買収に応じなかったことが悪いとかではなく、自分が自らの手で開拓した土地を国に明け渡すことがどれほど辛かっただろうと当時の思いが忍ばれます。行政側もそのような背景をしっかりと見つめ誠意を持って対応しなければならないと思いました。

北海道の広大な大地にはやはり戦車がよく似合います。(防衛省HPより)

話を戻します。この演習場は、日本国内で最も長射程の射撃をすることができます。18kmほどの射程の射撃をできるようですが、実はそれでも日本の持っている大砲の最大射程ではないのです。99式自走榴弾砲やFH-70の大砲の最大射程は30kmや40kmとも言われていますから日本の演習場では最大射程で撃てないのです。そのため、日米合同演習の機会を利用してアメリカで最大射程の射撃訓練を実施しています。

大砲は、砲弾を遠くに飛ばすために射距離が伸びるほど多くの火薬を使用します。この火薬のことを装薬といいます。私は、この大砲を整備するのが陸曹時代の職務だったので、間近で射撃を見る機会がたくさんありました。矢臼別演習場の長射程での射撃は、砲弾発射後の衝撃が非常に強く、体に負担がかかるのがわかりました。ですから、1日に長射程で射撃できる弾数は決まっているといいます。そうしないと体の内部にまで負担がかかってしまうそうです。

この矢臼別演習場には7月に行ったのですが夜になるととても寒く、ストーブがないと過ごせませんでした。昼と夜の寒暖の差が激しかったことを今でも覚えています。また、雨も結構降りました。今では、いい思い出です。このような経験が今の自分へと成長させてくれたのだと思います。

これから自衛官になる方は、北海道だけでなく南西諸島での訓練の機会も多くなると思います。色々な土地に行けるのは自衛官の特権です。ぜひ、行った土地の人に触れ、おいしい食べ物を堪能して下さい。

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