新隊員前期教育課程(その3)武山駐屯地

元陸上自衛官で兼業農家のMasahikoです。今回は、新隊員前期教育課程の週末について紹介しようと思います。今でも新隊員教育期間中の週末について思い出しますが、いい思い出も嫌な思い出もあります。いい思い出は、やはり週末の外出です。同じ班の同期と一緒に外出したことは今でもはっきりと覚えています。自衛隊に入隊するまでは、自由に家の外を歩き回っていたのが、自衛隊に入隊後は許可がないと駐屯地の外に出ることはできません。もちろん、許可なく中に入ることもできません。ですから、久しぶりに自衛隊の敷地の外に出て自由に行動できることがとてもうれしく感じたものです。教育期間中、テレビ以外で女性を見ることがなかった日も有りましたから、女性を見ると本当にみんなきれいに見えるんです。本当です。当時、武山駐屯地は教育部隊しかありませんでした。今では、女性の勤務環境が変わり教育部隊にも多くの女性隊員がいます。言ってよいのかわかりませんか、平成10年当時は、隊舎の中には女性のヌードのポスターとかが貼られていました。女性がいない部隊だったので許されていたのかも知れませんが、それから程なくして、女性のヌード写真など一斉に外される事になりました。女性自衛官をどんどん増やしていこうと言う時期だったので、女性を不快にさせるものを排除していったのだと思います。

週末だけは土にまみれることから開放されます。(防衛省HPより)

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと脱線しましたが、嫌な思い出について紹介しようと思います。それは、外出制限があるということです。どこの教育隊も共通だと思いますが、外出前に住んでいる隊舎の清掃を済ませ身支度を整えてから、外出前の容儀点検と言って、身分証明書の脱落防止(落とさないようにチェーンなどで身体につなげること)やハンカチ、ちり紙の所持品について点検を受けます。この、隊舎清掃などで不備があると外出させてくれないのです。いくら用事があると言っても外出できません。しかも、連帯責任ですから、同じ班の全員(20人前後です)が外出できないのです。本当に最悪だと思いませんか?特に自分たちが住んでいる居室の清掃状況については非常に厳しかったと記憶しています。でも、それには立派な理由が有りました。

  1. それは自衛官としていかなる時も即応態勢を維持すること
  2. 常に生死を意識し身の回りのことは他人に迷惑を掛けないこと 

大きくはこの2つだと思います。当時は、そんな理由もわかりませんでした。これは、私が勝手に思っていることなので、誰も教えてくれません。私が21年間自衛隊で学んで感じとったことです。ちょっと中身について紹介します。1の「即応態勢」はわかりますよね。なにかあった際はすぐに身の回りのものを整理し、出動できる態勢を取るということです。よく言われるのは、災害派遣です。夜中、災害によって灯りが点かない状況でもしっかりと準備できるように身の回りを整えておくことです。2の「生死を意識し、他人に迷惑を掛けないこと」これって難しくないですか?私なりに解釈すると、人間ですからいつ事故に合うかわかりません、極論をいうといつ戦争がおきていつ死ぬかわからないのです。ですから、身の回りをしっかりと整理整頓し、もし、自分に死が訪れたとしても他人に迷惑を掛けないことが自衛官として大事だということを言っているのだと思います。幹部自衛官だと死生観だとかいいますが、入隊したばかりの自衛官候補生に対しても身をもって教えてくれているのです。私も、入隊当時はそんなことを考える余裕すらありませんでした。

今でも、週末の横須賀の夜を思い出します。当時は帰隊時間が8時くらいでした。これから楽しくなるであろう横須賀の週末の夜を見ることなく、次の教育先である土浦駐屯地に向かいました。

最後に、当時は本当に理不尽だと思っていたことも、今振り返ってみるとこんな大事なことを身をもって教えてくれたんだなと思います。自衛隊の教育には本当に無駄がありません。これから、自衛隊に入隊する方も「何のためにやっているのか」という目的意識を持って取り組んでほしいと思います。

 

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